ニキビとは何でしょうか?
ニキビとは、毛穴にある脂腺という皮脂が作られる場所に皮脂がたまり毛穴で渋滞を起している状態のことをいいます。詰まり方の状態によって見た目も治療法も少しずつ違いますが、どの種類のニキビの原因も毛穴の詰まりですので、そこを解決していかないと症状を繰り返したり、ニキビ跡になってしまいます。10歳前後から男女ともニキビを発症して30歳前後までによく見られる皮膚トラブルです。
ニキビの原因は?
ニキビの原因は過剰な皮脂分泌がよく知られていますが、性ホルモンの影響、ストレス、生活習慣の乱れや間違ったスキンケアなど様々な要因で①皮脂分泌が過剰になり、②毛穴がつまり③アクネ菌(ニキビの原因菌としても知られていますが、誰もが持っている皮膚の常在菌です)が増えるやすい環境となるため、増殖することにより毛穴の炎症を引き起こします。①~③を繰り返すことによりクレーター状のニキビ跡(にきび瘢痕)や痛みがひいてもなかなか引かない皮膚の赤み(炎症後の紅斑)ができやすくなります。
ニキビの種類は?
大きく炎症があるかないかで分かれます。炎症のないニキビは毛穴が詰まって白くプツットもりがった状態の「白ニキビ」、白ニキビの状態が繰り返され毛穴がひらき、酸化した皮脂がつまりゴミが貯まったように見える「黒ニキビ」、もう一つは、みた目には普通の皮膚にみえるのに、顕微鏡などで皮膚を観察すると毛穴がつまりはじめている状態(ニキビの赤ちゃん?!)がいる状態を「微小面皰」といいます。一方、ニキビ菌(アクネ菌)などの感染を伴い赤いプツットした時に触れると痛みを伴うニキビを「赤ニキビ」、中に黄色く見える膿がたまったニキビを「黄色ニキビ」となります。また、炎症を伴ったニキビを繰り返しているとクレータ状のニキビ痕「ニキビ瘢痕」、時に、数か月以上続くほんのりした皮膚の赤み「炎症後紅斑」、皮膚の茶色いシミ「炎症後の色素沈着」といった状態も引き起こします。
ニキビの治療は?
前述の全てのニキビにも共通した治療は毛穴の詰まりをとることです。ここ数年で数種類の保険適応の外用剤が登場しています。
保険が適用されるニキビ外用治療薬
- 外用過酸化ベンゾイル製剤(塗り薬):処方薬名:ベピオゲル®
- 外用レチノイド(塗り薬)
- 抗菌薬(塗り薬/飲み薬)
- 外用過酸化ベンゾイル+レチノイド配合剤(塗り薬):処方薬名エピデュオゲル®
- 外用過酸化ベンゾイル+抗菌薬配合剤(塗り薬):処方薬名:デュアックゲル
- 外用イオウ製剤(塗り薬)
- 漢方薬(飲み薬)
保険が適用されない治療
ケミカルピーリング
酸などの働きで毛穴につまった角質をはがし、毛穴つまりを改善して、皮膚の正常な生まれ変わりを促進します。詳細はピーリングの項をご参照ください。白ニキビ、黒ニキビや一部の赤ニキビに効果が期待できます。当院では使用目的に応じていくつかの薬剤をご用意しております。
詳しく見るアゼライン酸
塗り薬を当院で購入できます。アゼライン酸は大麦などの麦類や酵母に含まれており、日常的に摂取している成分です。皮脂の分泌抑制や角化の抑制作用および抗菌活性や抗炎症性が知られています。催奇形性がないので妊婦さんにも使用が可能で保険診療で使用する外用剤に比べて刺激感が少ないのが特徴です。