当院では3種類のピーリング剤をご用意しております。
肌悩みやご希望に応じて使い分けしておりますのでご相談ください。
ケミカルピーリングとは
- お肌に薬品を塗り、その作用によって皮膚や毛穴の角質を剥離する方法です。
- 効果に個人差はございますが、皮膚のターンオーバー・再生を促し、主に、にきび・にきび痕・毛穴の黒ずみの改善、しみ・くすみ・小じわの改善や rejuvenation(皮膚の若返り)などの効果が期待できます。
- 当院では ①サリチル酸ピーリング ②ミックスピールプラス ③ミラノ・リピール という3種類のピーリングをご用意しております。
サリチル酸ピーリング(サリチル酸濃度約30%)
サリチル酸マクロゴールによるピーリングは、マクロゴールという薬剤を基剤にすることにより、皮脂腺から血中へのサリチル酸の移行がなく、皮膚の角層のみに反応しますので、副作用が少なく安全に皮膚表面の古く汚れた角質や、毛穴に詰まった汚れを排除し、新しく綺麗なお肌へと導きます。お肌が弱い方やアトピー性皮膚炎(リンク)の方でもお肌の状態がいい状態で安定していれば、施術可能なピーリングです。
- 1回の所要時間は顏全体で約30~40分程度です。
- 本施術1回で症状を改善することは難しく、肌の状態により異なりますが、4週間に1回の間隔で合計4~6回行うことをお勧めしております。
ミックスピールプラス
グリコール酸、乳酸、サリチル酸(サリチル酸濃度約55%)という3種類のピーリング剤を主成分に、ビタミンA誘導体であるパルミチン酸レチノールも配合したピーリング剤です。純国産の医療機関専用のピーリング剤となっております。気になる毛穴にも積極的にアプローチすることができます。ピーリングの上級者の方や背部の難治なニキビやニキビ跡が気になる方、膝や肘のくすみやざらつきが気になる方にお勧めの強めのピーリングです。大学病院皮膚科監修のもとに行われた臨床に基づくケミカルピーリング法で施術を行いますので安心して施術を受けていただけます。
- 1回の所要時間は顏全体で約50~60分程度です。
- 本施術1回で症状を改善することは難しく、肌の状態により異なりますが、4週間に1回の間隔で合計4~6回行うことをお勧めしております。
ミラノ・リピール(バイオリピール:BioRePeelCI13でインスタグラムあり)
ミラノ・リピールは、最近、インスタグラムなどのSNSで話題のピーリングですが、その特徴的な色味とリフティング効果も期待できるピーリングという口コミから大変人気が出ているそうです。トリクロロ酢酸:TCAというとても強い酸を高濃度(顔用TCA35%、体用TCA50%)に含むピーリング剤です。TCAピーリングは、皮膚の再生効果に優れていますが、一般的に施術時の痛みや赤みが強く、ダウンタイム(施術後の肌が、元通りの状態に戻るまでの期間)を気にされる方には不向きな施術でした。しかし、ミラノ・リピールは、その薬剤が親油層と親水層の2層構造になっているため、皮膚表面に強い剥離作用を起こすことなく、薬剤が皮膚の深層に浸透して、線維芽細胞を刺激し、コラーゲンの再生を促進するといわれています(国際特許取得済みのピーリング剤です)。いくつかあるTCAピーリングの中でもダウンタイムが短く、赤みもでにくい特徴があります。少し気になる点としては、ほかのピーリングに比べると、ポロポロとした皮むけが少し長く続く印象がありますが、通常1~2週間程度で落ち着きます。
施術は、ピーリング剤を肌表面に塗り、マッサージして薬剤を皮膚の深層に浸透させます。そうすることで、肌表面のくすみやざらつき黒ずみの改善といった通常のピーリング効果に加えて、肌のハリ感や質感を高めるリフティング効果も期待できます。
ミラノ・リピールがおすすめな方
- ほかのピーリング剤では刺激が強すぎた方。
- ダウンタイムが気になりなかなか強い治療に挑戦できない方。
- たるみや肌のハリを改善したいが、機械を使った痛い治療はしたくない方。
- 皮膚にハリやツヤを持たせたが痛い治療はしたくない方。
- 毛穴や肌のくすみの改善と、肌のハリ・ツヤを同時に改善したい方。
所要時間・施術頻度
- 1回の所要時間は顏全体で約30~40分程度です。
- 本施術1回で症状を改善することは難しく、肌の状態により異なりますが、2~4週間に1回の間隔で合計4~6回行うことをお勧めしております。
すべてのピーリングに共通の注意事項
治療が出来ない方、注意が必要な方
- 原則照射が出来ない方。
- サリチル酸、アスピリンそのほかの使用薬剤のアレルギーがある方(アスピリン喘息、アスピリン不耐症の方も含みます)。
- 日焼けしている、日焼けの予定のある方、皮膚の色が濃い方。遮光が十分にできない方。
- ケロイド体質の方。
- 照射予定部位に、皮膚癌などの悪性を疑う所見のある方。
- 妊娠中(可能性のある方も不可)、授乳中の方。
- 光線過敏症、日光過敏症の方(光に対するアレルギーをお持ちの方)。
- ラテックス・天然ゴムアレルギーの方。
- ビタミンA製剤・レチノイド内服加療中の方。
- 発熱などの感染症状や体調不良の方。
- 意思疎通の図れない方、当院からの指示、注意事項を遵守頂けない方。
施術出来ない部分
- 髪の毛がかかる部位、目の周り、口唇などの粘膜とその周囲。
- 皮膚トラブルがある部分(ふさがってない傷や皮膚炎をおこしている部位、炎症性のニキビ、感染部位など)。
医師の許可が必要な方、注意が必要な方
- 光線過敏のリスクのある薬(抗うつ薬、向精神、抗菌薬、降圧薬、高脂血症治療薬などの一部、ホルモン剤)を内服中の方。
- ニキビ(リンク)、アトピー性皮膚炎(リンク)、シワ、シミ治療(リンク)などで光線過敏のあるリスクある薬を使用中の方。
注意が必要な外用薬の具体例
- 過酸化ベンゾイル、アダパレンを含むレチノイド類似物質
ニキビ治療の処方薬で使用するベピオゲル®、デュアック配合ゲル®、エピデュオゲル®、ディフェリンゲル® - アトピー性皮膚炎で使用するプロトピック軟膏®
- シワ・シミの治療で使用するトレチノイン、ハイドロキノン
他にも外用の消炎剤など光線過敏の症状出る可能性のある薬や化粧品ありますので不明なものがある場合
➡上記薬剤の外用をしている場合は1~2週間の休薬期間が必要です。また、施術時は、皮膚の反応が通常より強くでる可能性があります。
~医師の許可が必要な方、注意が必要な方 の続き~
- 免疫不全状態(コントロール不良の糖尿病、抗癌剤、免疫抑制剤治療中の方など)や他の疾患で加療中の方(治癒の遷延,また感染や過度の色素沈着を生じ得る可能性があります)。
- 出血傾向のある方(抗凝固薬、抗血栓症薬などの血液さらさらの薬を内服中の方も含む)。
- 血液、体液を介する感染症の方、感染症の症状がある方、症状はなくても治療中の方(例:真菌・細菌・ウィルス感染など)。
- 施行部位に,外科的手術の既往や,放射線治療 の既往のある方。
- 精神疾患治療中の方、治療歴がある方(主治医の許可が必要です)。
- 上記以外でも治療中、経過観察中のご病気のある方は、原則主治医の先生の許可が必要です。
すぐに治療を開始しないほうがよい場合
- 皮膚トラブルがある方(皮膚炎やお傷がある場合は症状が落ち着くまで施術を控えましょう)
- 日焼けをした方(元の皮膚のトーンに戻るまで施術はお控えください)。
- 結婚式、写真撮影、面接などの予定がある方。照射後に皮膚トラブルが起こる可能性あり、しばらくの間、症状が残る可能性があります。
- ニキビ、アトピー性皮膚炎治療などで光線過敏のあるリスクある薬を使用中の方(症状をみながらですが施術前後1~2週間は使用控えましょう)。
- 施術予定部位を怪我した場合や手術をされた方(傷の状態が落ち着くまで:約半年程度は施術をお控え下さい)。
ケミカルピーリング施術時の反応と施術に伴うトラブル
刺激感・掻痒感
肌に酸を塗布した時から、ピリピリ・ムズムズするような刺激感や軽度の痒みを生じることがあります。薬剤が皮膚と反応しているために生じます。通常は、薬剤を落とすと症状は消退しますが、症状が強い場合は、すぐにお知らせください。
浮腫
肌がむくんだ状態となることです。塗布した薬剤と皮膚の反応が強い場合に生じます。多くは一時的な反応ですが、症状が強いとしばらくの間、症状が遷延することがあります。
紅斑
塗布した薬剤が皮膚と反応するために生じます。通常、施術中、もしくは施術後数時間で自然に消失しますが、症状が強い場合はヤケドを起していることもあり、注意が必要です。患部を、冷たい濡れタオルや布を巻いた保冷剤などでクーリングし、症状が強い場合は炎症をおさえる薬を外用します。皮膚が乾燥しやすくなるので積極的に保湿してください。
水疱形成・びらん・潰瘍
塗布した薬剤と皮膚の反応が強く起こった場合に生じます。化学熱傷(化学薬品により生じた火傷のこと)を起こした状態で生じることが多く、火傷の治療に準じた対応が必要です。皮膚の状態に応じて、炎症を抑える薬や抗菌薬を外用します。症状の程度によっては、薬の外用やガーゼ保護などの処置が必要となり、治る過程でカサブタや皮むけを生じることがあります。また、しばらくの間、色素沈着、瘢痕・ケロイド(後述に詳細記載)といった皮膚トラブルが残ることがあります。
色調異常
色素沈着・脱失 など、詳細下記記載参照。
色素沈着
皮膚の炎症反応によって生じる皮膚の褐色調の黒ずみです。通常は3-6か月程度で徐々に薄くなり自然消退しますが、まれに完全に症状が消退しないこともあります。治癒過程で紫外線(日光)などの光があたると、症状が増悪したり、治癒が遅延することもあるので、患部は、こまめに日焼け止めを塗るなどして遮光してください。
素脱失
皮膚の色が白抜けすることがあります。通常は半年程度で症状が改善することが多いですが、色素沈着に比べて治りにくいことが多く、色調変化が残存することもあります。
火傷
当初は上記前述の紅斑と区別がつきません。施術部の赤みやひりつきが強い場合は冷やした濡れタオルやガーゼなどの薄い布で包んだ保冷剤などで患部をクーリング行い、症状に応じて薬を塗ります。もともとの皮膚色が濃い方や日焼けした肌の方が施術した場合に生じることが多いと言われています。
毛包炎
「あせも」や「赤ニキビ」のような毛穴の炎症を、処置の翌日以降に生じることがあります。軽症な場合は患部を清潔に保ち、適宜冷やすことで改善しますが、痒みや痛みがある場合は、症状に応じて外用薬や内服薬を併用します。
瘢痕、ケロイド
瘢痕とは、いわゆる傷跡のことです。処置により生じたヤケドやニキビが傷痕になってなかなか消えないことがあります。患部が赤く扁平に盛り上がった状態で軽度の痒みや痛みを伴うことがあります。数年かけて徐々に縮小することが多いです。瘢痕は、原則、もともとの傷の範囲を超えることはありません。
瘢痕よりも症状が強く(患部の盛り上がりや痒み、痛みなどの自覚症状が強いことが多く)、色調は赤~褐色調のできもの(焼いたお餅を引きのばしたようにも見えます)のようになってしまったものを「ケロイド」といいます。徐々に患部が拡大していく場合もあります。些細な外的な刺激でこうした皮膚症状が出現してしまう体質(ケロイド体質)の方は、ピーリング治療を含め皮膚に刺激を与えるような処置はできません。ケロイド体質の方以外でも、耳、上半身(二の腕、背中の上部、前胸部)、関節部(肩、肘、膝)などは好発部位と言われています。症状に応じて、薬を内服、外用、注射などの治療を行いますが、完治しない場合もあります。
鱗屑・痂皮
いずれも炎症後の反応として生じます。施術後の皮膚は乾燥して皮むけしやすい状態になります。普段よりも頻回に低刺激な保湿剤を外用してください。表皮(皮膚の表面の皮)がむけてしまった場合、治癒の過程で患部にカサブタが生じることがあります。
カサブタは無理にとらず、自然にとれるのを待ちましょう。無理にとってしまうと、患部から出血したり、傷痕が消退しにくくなります。
施行部位と周囲の境界の明瞭化・既存黒子の顕在化
ピーリングによりお肌のくすみがとれると、施術を行った皮膚の色調が明るくなりざらつきがとれるので、ヒーリング溶剤を塗布した部位と塗っていない部位の皮膚の色調や質感に差が出てしまうことがあります。また、皮膚の色調が明るくなるので、もともとあったホクロやシミが目立ってしまうこともあります(ほくろや皮膚の奥の方から色みがでているシミなどはピーリングが無効なので皮膚のトーンがあがると、今まで以上に目立つことがあります)。
一過性のざ瘡増悪や毛孔拡大
ピーリング施術後数日は、ニキビが治る過程で一時的に、ニキビが増加することがあります。症状に応じてニキビ治療に準じた治療を行います。また、ピーリング施術により、最終的には、毛穴の黒ずみや毛穴は目立たなくなりますが、毛穴につまった角質がピーリングによりとれるので一時的に毛穴がひらいて見えることがあります。気になる場合は、ビタミンC誘導体配合のお化粧品やイオン導入を併用すると、毛穴の引き締めや皮脂のコントロールに有効です。
毛細血管拡張
毛細血管(とても細い血管)が拡張して皮膚表面から血液の赤い色が透けてみえることがあります。もともと赤ら顔(毛細血管拡張症や脂漏性皮膚炎)の方やニキビ治療やシワの治療でピーリング作用のある外用剤を使用中の方は、ピーリングにより古い角質が除去され、皮膚のごわつきが改善されると、赤みがより目立つことがあります。多くは一時的な反応ですが、もともと赤みが出やすい方は症状がしばらく残ることもあります。
稗粒腫
白ニキビのような白くて小さい粒々した皮疹がピーリング施術後にできることがあります。自然に消退することが多いですが、治りにくい場合は数に制限がございますが、保険診療で処置も可能です。